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2008年2月21日 (木)

血管腫の大学教授に賠償命令

粥川準二さんのブログをみて、ニュースになっていることを知りました。えーっとすこし事情を知っている人間として、ひとことだけ。

妥当な判決だと思います。

http://ootsuka.livedoor.biz/archives/51452047.html

http://matimura.cocolog-nifty.com/matimulog/2008/02/jugement_577f.html

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080219/1203435919

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20080218161531.pdf

「血管腫」患者の大学教授に賠償命令Add Star

2008.2.15 21:52 産経

 

 顔などにあざや膨らみができる病気「血管腫」の患者で、差別をなくす活動をしていることで知られる鳥取大学医学部教 授、藤井輝明さんの著書をめぐり、フリーライターの女性が著作権を侵害されたとして、藤井さんと出版社に損害賠償などを求めた訴訟の判決が15日、東京地 裁であった。阿部正幸裁判長は、著作権侵害を認め藤井さんらに計約60万円の支払いを命じた。

 問題となったのは平成16年に出版された藤井さんの著書「さわってごらん、ぼくの顔」。女性側は「藤井さんの口述を再構成し、15年に別の出版社から出した本から多くの部分が引用され、著作権を侵害された」と主張していた。

 阿部裁判長は15年に出版された本について「完成の過程には女性の創作性が発揮されている」として、女性の著作権を認めた。その上で藤井さんの著書が「15年の本からの引用や並び替えにすぎない」と指摘、著作権を侵害していると結論付けた。

 藤井さん側は「女性はゴーストライターに過ぎず著作権は帰属しない」などと主張。また16年に出版した著書も「独自の表現で執筆していて、引用ではない」と反論していた。

中日新聞にも (共同通信の配信記事なので、地方新聞にも掲載される可能性が高い)

 フリーランスライターに対する敬意の欠如が、ここまでこじれて訴訟になった理由である、と思います。近いうちに事実確認をする必要があると思っています。
 『運命の顔』版元の草思社は倒産しましたから、このまま絶版になるかもしれない。「さわってごらん、ぼくの顔」については被告が控訴しなければ絶版です。
 自分の体験は、自分で書く。これが基本ですね。とくにデビュー作は、自分で書かないと駄目でしょうね。
 このことによって、藤井氏が今後、著作物を発行することが困難にならないように、と願うばかり。そのためには、自分でキーボードをたたいて書くこと。書けないなら、ライターにすべての印税を出す、というくらいでちょうどいいと思いますよ。

えっと、蛇足かもしれませんが書いておきます。

今回の件をもって、ユニークフェイス当事者の表現者のすべてが著作権を侵害するような適当なことをしている、とは思わないでいただきたい。

日本では、ユニークフェイス当事者としてカミングアウトしている人がきわめて少ないので、藤井氏の影響力は大きいわけですが、あのような笑顔で腰が低く、礼儀正しい紳士的なユニークフェイス当事者は少ないですよ。一般的にも少ないです。そしてその行動力もすごいものがあります。構成ライターの協力があったとはいえ、短期間にたくさんの書籍を出した行動力も見事です(そのうち、「顔とトラウマ」、「見つめられる顔 ユニークフェイスの体験」では、彼の発言を構成ライターとしてまとめました。「知っていますか? ユニークフェイス一問一答」では、彼は何も書いていないのですが、営業的な見地から著者になっていただきました。)
 今回のトラブルについては、出版業界の商習慣を知らなかったということ、が原因ではないかと思います。
 いろいろと思うことはありますが、法的な判断が下ったわけです。ささっと責任をとって、前向きに次に進んでほしいですね。

ユニークフェイス当事者といっても、ひとりひとり全く違うわけですから。

こういう当たり前のことが、単一文化、同調圧力が強い日本社会ではなかなかわかってもらえないのですが。

もうひとつ。

ユニークフェイス当事者とは別の視点から今回の判決は意味があると思います。

ゴーストライターに著作権があると、認定した点ですね。
この点については調査したことはないので、書きにくいのですが、きちっとかんがえるとたいへんな意味があると思います。
1冊の著作をゴーストライターと共同で執筆したとして、同じような内容で類書を別のゴーストライターが書く。こういうことはよくあります。和田秀樹氏や齋藤孝氏がよくやっている手法です。このひとつひとつにゴーストライターに著作権があるとすると、類書を発表しにくくなりますね。私はゴーストライターには、著作権はなく、その内容に問題が発生したら、表紙に名前が載っている「著者」の責任であると考えています。たとえそのような趣旨の契約書を交わしていないとしても、です。(その私の考えを覆すだけの法的なやりとりがあったようなので、そこは判決文を読んでから考えたいと思います)
その本の表向きの「著者」と、文章を書いた本当の「著者」(ゴーストライター)との法的な関係についてどうなっているのか。改めてかんがえさせられました。

 


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